【ほんやのほん(朝日新聞デジタル「&w」)掲載】暗闇にレンズ/高山 羽根子

20210108

【人文コンシェルジュおすすめ】
2020年ほど、物語の想像力が試された年はなかっただろう。目の前の現実から目を逸らしたくなってそれまで親しんできた本を手に取るも、うまく入り込めず悶えるばかり。それほどまでに過酷な現実に世界中が覆いつくされ、目に見えない蓋のようなものを感じて息苦しさを覚える毎日だった。そんな日々のなかで、不穏な「現在地」から最も遠い場所に連れて行ってくれたのが『暗闇にレンズ』だった。

「LIGHTS」「CAMERA」「ACTION!」と物語は大きく三部に分かれており、全体で映画撮影の段取りを模していることがわかる。だが、ストーリーはそう単純ではない。本書には定まった主人公がおらず、結果的に5人の女性が「ある使命」を継いでいく流れになっているのだ。

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