山本周五郎作寒橋朗読 守屋政子/保科耕一

朗読CD『二人で語る』シリーズ

藤沢周平と並び称される時代小説の大家、山本周五郎。
朗読のプロたちが、森繁久彌、加藤道子の朗読を彷彿させる
見事な二人語りで全編を朗読しています。


お孝は、ときどき自分が恥ずかしくなる。
鏡に向かっているときなど特にそうだ。
『いやあねえ』などとつぶやいて、自分の顔を眺めまわす。
からだも皮膚が透けるようなぐあいで、なにかの花びらのように柔らかくしっとりと湿っていて、撫でると指へ吸いつくような感じである。
良人を持ってから自分に現れた変化にてれて、頬が熱くなることがしばしばあった。
お孝はしんから良人、時三を愛おしく想っていた。しかし……

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